前回の記事では、プラグインで低域を補強するアプローチをご紹介しました。
今回はそれを踏まえて、録音と補強をどう組み合わせるかという視点から掘り下げてみます。
アコースティックでも広がるレンジ感
近年はアコースティック作品でもレンジが広がり、ギターに低域の存在感を求められる場面が増えています。
実際にスタジオワークでは、プロデューサーから「アンビエンスマイク(部屋鳴りを含めた音)をしっかり録ってほしい」と依頼を受けたこともあります。
ギターに近づけたオンマイクだけでなく、全体の胴鳴りや部屋鳴りを含めたアンビを録ることで、曲全体の重心を自然に支えられるのです。
「アコギ=ローカット」の落とし穴
ギタートラック、特にアコースティックギターでは、「とりあえず100Hz以下をカット」というような処理が定番のように語られることがあります。
確かに不要なローを整理する意味では有効ですが、何も考えずにカットすると、ギターが持っている自然な低域や空気感まで失われてしまうこともあります。
場合によっては、ギター単体で低域の存在感をしっかり残しておくことが、アレンジにとってプラスになることもあります。
録音 × プラグイン補強の組み合わせ
それでも生ギターの低域は、現代のトラックに混ぜると薄く感じやすいものです。
そうした場合は、プラグインで補強するのも効果的です。
- 録音:アンビで自然な低域や厚みを捉える
※小さく吸音の多い部屋では低域がスッキリしすぎて、アンビで低音の補強ができない場合もあります - 整理:不要なローはEQで処理
自宅録音などで整理されたローを得るのは困難なため、EQで適切に処理します - 補強:足りない部分だけをプラグイン(Renaissance Bass、Submarine、LoAir、RootOneなど)で補う
アンビを含めた録音とプラグイン、それぞれの長所を活かすことで、ギターがトラックの中でしっかりと役割を発揮できるようになるでしょう。
まとめ
- 現代のトラックでは、ギターにも低域の存在感が求められる場面がある
- 「100Hz以下は全部ローカット」などと決めつけない
- アンビや部屋鳴りで自然な厚みを確保できる
- 足りない部分はプラグインで補強して調整
- 曲やアレンジに応じて柔軟に選択することが大切
ギターの低域処理は、むやみにローカットせずに、必要な低域を狙って試行錯誤することを強くお勧めします。



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