Vitamin Studioでは、レッスンやレコーディングでKemper Profiling Amplifierを使用しています。
※詳細は関連記事「Kemperと実機アンプのマイク録音、そしてOXの立ち位置を考える」をご覧ください。
非常に多機能で便利なKemperですが、生のマイク録音と比べてしまうと、「デジタル特有の薄味な感じ」が気になる瞬間があります。
その問題を解決し、音に「熱」を宿すために導入したのが、レコーディングスタジオ御用達のコンプレッサー「Empirical Labs Distressor EL-8」です。
世界中のスタジオで「標準」とされる信頼感
Distressor(ディストレッサー)は、世界中のレコーディングスタジオに必ずと言っていいほど置いてあるコンプレッサーの名機です。
ギタリストが個人で所有しているケースは珍しいですが、私が導入を決めたのは、LAのトップセッションギタリスト、Tim Pierce(ティム・ピアス)のスタジオセットアップを見たのがきっかけでした。
数々の名盤でギターを弾いてきた彼ですが、ホームスタジオの機材もトップクラス。
Youtubeで聴いても、レコーディングスタジオのクオリティ。
そのサウンドに憧れた僕は、決して安い機材ではありませんが、7年ほど前に導入しました。
針は振らせない。回路の「熱」だけを借りる贅沢
この機材を導入した目的は、音を圧縮すること(リダクション)ではありません。
実は、コンプレッサーとしての針はほとんど動かさない「通すだけ」の状態で使っています。
それでも、これを通すだけで音が明らかに変わるのです。
「薄味」を解消し、音を「熱く」する
- 密度感の変化: Kemper単体の音がどこか「スカッ」と平坦に感じるのに対し、Distressorを通すと音の成分がギュッと詰まり、実在感が増します。
- レンジの集約: 上下に広がっていたレンジが音楽的に少しナローになり、その分、エレキギターで一番おいしい帯域にエネルギーが集中します。
- 温度感(熱量): 少し薄く、冷たく感じていた音に、アナログ回路特有の「熱」が宿ります。
「音が太くなる」というよりは、「音が熱くなり、密度が上がる」。
絶妙な変化ですが、一度知ってしまうと、通さない音が物足りなく感じてしまうかもしれません。
ほんの少しの差でも効果は大きい
一見マニアックな機材ですが、その役割は非常にシンプル。 「デジタルの便利さに、アナログの熱量を加えること」です。
Vitamin Studioでは、こうしたマニアックな機材やレコーディング現場のノウハウについても、私の知っている限り包み隠さずお答えしています。
「自分の録った音がなんだか薄い…」とお悩みの方は、ぜひこのようなアウトボードの導入を検討してみてはいかがでしょうか。



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