ギターは高くないとダメ?5万円のギターでプロスタジオでのレコーディングに挑んだ話

機材

「ギターは高くないとダメ?」問題に回答するエピソード

「最高の音楽には、高価な機材が不可欠」──そう思っていませんか?ギタリスト・作編曲家として今までの経験から、僕は必ずしもそうではないと感じます。

僕自身の20代の頃の忘れられない経験が、その証拠です。

とあるプロジェクトの楽曲制作で僕に「ギターを弾いて欲しい」という依頼がありました。
当時はストラトを持っておらず、借りたのは当時の彼女が持っていた5万円のフェンダージャパンのギター。そして、僕が所有していたギブソンのヴィンテージES-335(1972年製)と共に、一口坂スタジオへと向かいました。(※惜しいことに一口坂スタジオは現在残っていません。)

一口坂スタジオは、国内屈指の歴史と権威を誇るプロフェッショナルなレコーディングスタジオです。ギター以外は、まさに一流の環境と機材が揃っていました。

デモ音源制作のサポートでしたが、曲で要求されたのはスピッツを思わせるアルペジオ。
ES-335とストラトの両方で弾いてみました。

正直、決して高価とは言えないストラトでプロの現場でどんな音になるのか、不安がありました。

しかし、驚くべきことに採用されたのは僕のヴィンテージES-335ではなく、フェンダージャパンのストラトキャスターでした。
アーティストの方、エンジニアの方を含め、満場一致の意見だったのです。

僕自身、録音後に耳にしたサウンドは、予想を大きく超えるものでした。
本物のスピッツみたいじゃん!」──家で聴き返した時の衝撃は、今でも鮮明に覚えています。


この経験が教えてくれた「ギターの値段」を超えた音作りの秘密

この体験から僕は大きな教訓を得ました。
良い音、そしてプロのサウンドは、単に高価なギターだけで決まるのではない、と。

まず、 ギター以外の機材と環境も非常に重要です。
一口坂スタジオのようなプロフェッショナルな環境は、ギターが持つポテンシャルを最大限に引き出すための音響設計と、最高級のレコーディング機材(マイク、プリアンプ、コンバーターなど)を備えています。
何より重要なのがエンジニアの技術と経験です。
ギターが安価でも、他の機材や環境が一流であれば、その音は驚くほど向上します


つぎに、演奏者の技術と表現力が欠かせません。
最も大切なのは、楽器を操るあなたの手と感性です。どんなに優れた機材も、弾き手の技術と表現力がなければ、その真価を発揮しません。


そして、楽曲への適合性が非常に大切です。
僕のヴィンテージES-335は素晴らしいギターですが、楽曲のアレンジにおいては、音が太すぎて「居場所」がありませんでした。(弦が0.11~という太い弦を張っていた影響もあると思います。)
一方で、ストラトは、その音の特性が楽曲全体のバランスに最適だったのです。
335に比べ、アンサンブルの中で「居場所」がしっかりと合ったのです。
高価なギターが良い音を出すとは限りません。
曲が求める音、アンサンブルの中で生きる音を選ぶことが、現場では求められます。


まとめ:状況に合わせた音の追求が大切

「安価なギターでも、他の条件が整えば仕事はできる」「高価なギターでも、楽曲に合わなければ選ばれない」──僕の実体験は、ギターや音楽制作において、機材の値段にとらわれず、状況に合わせた音の追求がいかに重要かを示しています。

※それでは「高価なギター買う意味は?」という疑問をもった人は、こちらのブログをご覧ください。
→「良いギターの条件とは?「鳴る」ギター?

Vitamin Studioでは、この経験から得た知見をもとに、皆さんの「良い音を出したい」「音楽で表現したい」という思いをサポートしています。あなたの機材を最大限に生かす方法や、楽曲に合った音作りについて、ぜひ一緒に考えてみませんか?

レッスン詳細はこちら

コメント

タイトルとURLをコピーしました