アドリブソロを学習するギタリストがよく抱く疑問に答えます!
Q1: コードスケールとモードスケールって、名前が違うけど結局同じものなの?
A1: いいえ、完全に同じではありません。両者は密接に関連していますが、音楽的な文脈とアプローチの仕方が異なります。
- コードスケール: 特定のコード進行(機能和声)の中で、それぞれのコードに自然に合うスケールを選ぶ考え方です。
例えば、Dm7→G7→CMaj7という進行があれば、それぞれのコードの上でDドリアン、Gミクソリディアン、Cアイオニアンといったスケールを使います。ここでは、コードの機能(トニック、ドミナントなど)が中心にあり、スケールはそのコードの響きを補強するために使われます。 - モードスケール: 特定の機能和声に縛られず、ある「モード(旋法)」独自の響きそのものを音楽の主役にする考え方です。
コードはモードの響きをサポートするために使われることが多く、従来のコード進行のような「解決」感は薄まります。マイルス・デイヴィスの「So What」のように、ドリアン・モードの響きを延々と持続させるような音楽で使われます。
Q2: スケールブックに載ってるスケール、全部丸暗記しなきゃダメなの?
A2: **いいえ、必要ありません。**特に初心者の段階でスケールを全て丸暗記しようとすると、かえってアドリブの本質を見失いがちです。
僕が提唱しているのは、**「特徴音」**に焦点を当てることです。
例えば、リディアンスケールは「F#」という1音がその浮遊感を生み出す「特徴音」です。このたった1音の響きの変化を体感し、アドリブに取り入れるだけで、スケール全体の丸暗記よりもはるかに早く、効果的に「コードスケールの雰囲気」を出せます。
もちろん、転調が激しく起こるような場面では、スケールの音を瞬時に把握している必要がありますが、まずは**「どの音がそのスケールの個性を際立たせるか」**を理解し、実践で使ってみることから始めましょう。
Q3: アドリブって、結局スケールをなぞるだけじゃないの?
A3: 違います!スケールをなぞることは、あくまでアドリブの**「手段」の一つです。アドリブの本質は、あなたが頭の中でイメージしたメロディやフレーズを、ギターで具現化すること**にあります。
スケールは、そのイメージを実現するための「音の材料」や「地図」のようなものです。例えば、リディアンの「特徴音(F#)」を使って浮遊感をイメージし、それをフレーズに落とし込む。これがアドリブです。
まずは、スケールを機械的に弾く練習よりも、**「この音を弾くとどんな響きになるか?」「このコードの上で、どんなメロディを弾きたいか?」**という音楽的なイメージを大切にしてみてください。そのイメージに合う音を探す手助けとして、特徴音やコードスケールの知識が役立ちます。
Q4: ドリアンスケールって、「Cメジャースケールの2番目の音から弾く」って覚えるべき?
A4: 理論的にはその通りですが、実践的なアドリブでは、その覚え方はあまりお勧めしません。
アドリブ中に「今Dm7だから、Cメジャーの2番目から…」と考えていては、とてもリアルタイムでスムーズな演奏はできませんよね。
むしろ、**「ドリアンスケールは、通常のマイナースケール(エオリアン)の6番目の音が半音高くなった(ナチュラル6thになった)もの」と覚える方が、そのスケールが持つ独特の響き(特徴音)**を直接的に捉えられます。この「ナチュラル6th」の音が、ドリアンの少し明るく浮遊感のあるマイナーサウンドを生み出しているのです。
このように、それぞれのスケールの「特徴音」を基準に覚えることで、頭で考える時間を減らし、指と耳で直接的に響きを捉え、スムーズにアドリブに活かせるようになります。
Q5: コードが変わるたびに、指板上のスケールの形を切り替えなきゃいけないの?
A5: いいえ、必ずしもその必要はありません。コードが変わるたびに頭の中で指板上のスケールの形を厳密に切り替えると考えがちですが、それだと演奏中に頭が混乱し、かえってスムーズなアドリブが難しくなってしまいます。結果として、ルートからスケールをなぞるだけのフレーズになりがちです。
そこで有効な方法は、「特徴音」を効果的に使うことです。
例えば、Dm7→G7→CMaj7というコード進行があったとします。KeyがCメジャーであれば、基本的にはCメジャースケール(CDEFGAB)を弾き続けることができます。これは、コード進行全体を**マクロ(俯瞰的)**に捉える考え方です。このマクロな視点があるからこそ、歌心のある、流れるようなフレーズを考えやすくなります。
その上で、CMaj7のコードが来た時に、CメジャースケールのF(ファ)の音を、一瞬だけF#(ファ#)に変えて弾いてみる。このF#がリディアンスケールの「特徴音」であり、この1音をピンポイントで当てるだけで、CMaj7にリディアンらしい浮遊感を加えられます。
つまり、コードごとに全ての音をマイクロ(局所的)に捉え直す必要はありません。基本となるKeyのスケールを弾きながら、特定のコードでその「特徴音」を意識的に混ぜ込むことで、効果的にコードスケールの響きを出すことができるのです。
実は、**カラフルなアドリブを弾く人は、この「マクロ(全体)な視点」と「マイクロ(局所)な視点」を瞬時に行き来しながらフレーズを紡いでいます。**
(さらに言うと、アドリブソロをとるときにはスケールのことでさえ、なるべく考えたくないと感じています。)
この感覚を掴むことが、単なるスケールなぞりを超えた、歌心あふれるアドリブへの鍵となるでしょう。
※学習ガイドリンク



コメント