コードの「性質」を理解する 〜R・3rd・5th・7th〜

ギターレッスン中級者向け

Vitamin Studioの田村です。

前回、「リードシート(コード譜)のコードは『そのまま全部』弾かなくていい」という記事を書きました。複雑なコードを見て身構えなくていい、コードは「性質」で捉えると扱いやすくなる、という話です。

3rd がメジャーかマイナーか、5th がどうなっているか――構成音の組み合わせが、コードの基本的な性格を決めるそれを「性質」と呼びました。
音楽理論では一般的に「和音の性質」や「chord quality」と定義されています。

今回は、その「性質」について解説します
コードの「中身」――どんな音が積み重なって、それぞれの音が何を決めているのか。
それを知ることによってコードの仕組みが基礎からわかるようになります。

コードは、音の積み重ねでできている

コードは、いくつかの音が積み重なってできています。

ルート・3rd・5th の3つの音でできた和音を、三和音(トライアド)と呼びます。Cメジャーのトライアドなら、C・E・G です。これに、もう一音 7th を足したものが四和音(セブンスコード)です。CメジャートライアドにBを足すと、CMaj7 になります。

それぞれの音には、ルート・3rd・5th・7th という名前があります。これはルートから数えた度数――何度上の音か――を表しています。3rd はルートから3度、5th は5度、7th は7度。

次に、3rd・5th・7th が、それぞれ何を決めているのかを順に見ていきます。

3rd

積み重なった音のうち、コードが「メジャー」か「マイナー」かを決めているのは 3rd です。

Cメジャーのトライアドは、C・E・G でした。(CとEの関係が長三度)
このうち真ん中の E――3rd の音――を半音下げて E♭ にすると、C・E♭・G になります。(CとE♭の関係が短三度)
これが Cマイナー(Cm)です。

変わったのは、3rd の音だけです。ルートのCも、5thのGも、動いていません。

半音ひとつ。それだけで、メジャーとマイナーが入れ替わります。3rd は、それを決めている音です。

5th

5th はそのまま5th(完全5度)または♯5、♭5と半音上げ、下げ出来ます。

Cメジャーのトライアド C・E・G の、5thの G を半音上げて G# にすると Caug。
Cマイナーのトライアド C・E♭・G の5thの G を半音下げて G♭ にすると Cdim になります。

5thも、動かすと性質が変わります。

7th

トライアドに 7th を足すと、四和音になります。
7thは半音の違いで、Maj7thか♭7thが存在します。

Cメジャートライアドに B を足すと CMaj7、その B を半音下げて B♭ にすると C7。
Cマイナートライアドの場合には Bを足せば、CmMaj7、B♭ を足せば Cm7 になります。

コードの構成要素

ルート・3rd・5th・7th。この4つが、コードの骨格(基本の性質)と言えます。

3rd は長3度か短3度か、5th は完全5度か♭5か♯5か、7th は Maj7 か ♭7 か。骨格のどの音をいじっても、コードの性質は変わります。

9th や 11th、13th は、その骨格の外側に足す音です。テンションと呼びます。
テンションを足しても、骨格の4音は基本の性質として機能します。

※骨格の4音のいずれかを省略して、テンションを加えることもあります。

具体例で骨格とテンションの違いを考えてみる

前回の記事「リードシート(コード譜)のコードは『そのまま全部』弾かなくていい」で、こう書きました。

Fm9 と Fm11 は交換できる。でも Fm7(♭5) はいけない、と。

Fm9 も Fm11 も、骨格は Fm7 のままです。
9th と 11th という、外側のテンションが違うだけ。骨格は同じだから、交換できます。

Fm7(♭5) は、骨格の 5th を半音下げています。性質そのものが変わっている。だから、交換できません。

「ルールに基づいてのみ、変えてよい」と前回の記事でも書きましたが、そのルールが見ているのは、骨格が保たれているかどうか――そういうことです。

コードを色彩感覚で感じてみる

こうしたコードの響きを色彩感覚で捉えると僕は良いと考えています。

7th を足したとき、響きがどう変わるか。
僕の場合、トライアドは原色のように聴こえます。
たとえば、青。そこに 7th を足すと、その青に少し白が入って、水色になるような――そんな感じがします。原色のまっすぐさが、少しやわらぐ。

これはあくまで、僕の聴こえ方です。「青」という色そのものに意味があるわけではありません。
「原色から、そこへ少し白が入って淡くなる」という変化の方向を伝えたくて出したたとえです。
それに、この感じ方も、ひとつのコードを単体で鳴らしたときの話です。実際の曲では、コードは前後とつながって鳴ります。その流れの中で、聴こえ方は変わってきます。

一度、自分なりのイメージを持ってみることが大切です。
そこからスタートして、コードの聴き取り能力や、演奏、作編曲の際に選べる力に繋げていきましょう。

まとめ

  • ルート・3rd・5th・7th の4つが骨格(基本の性質)
  • 3rd は、メジャーかマイナーかを決める (長三度、短三度)
  • 5th も、動かすと性質が変わる(完全5度、♯5、♭5)
  • 7th は、Maj7 か♭7 か。これも性質を決める要素 (長7度、短7度
  • 9th 以上のテンションは、骨格の外側に足す音
  • 自分なりの色彩感覚で響きを捉えてみる

複雑なコード名を見て身構えてしまうときがあったら、そのコードが、どの音でできているのかを、ひとつずつ見てください。
すべてを一度に分かろうとしなくて大丈夫です。

そして、基本である骨格とテンションが見分けられるようになると、前回記事で書いた「どのコードとどのコードが交換できるか」という判断が、自分の手でできるようになります。

下北沢(井の頭線・小田急線)のVitamin Studioでは、こうした音楽理論を生徒さんの実践に落とし込めるようにレッスンしています。
気になる方は、ぜひ、レッスン詳細をご覧ください。

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