コードスケールの学習方法|丸暗記しなくても簡単にアドリブに使えるコツ 後半 (理論的補足)

ギターレッスン中級者向け

コードスケールの丸暗記は必要?

いいえ、シンプルに考えれば、アドリブに簡単に取り入れることができます。


前半は「簡単にコードスケール(モードスケール)をまずは弾いてみる」ということで、
コードスケール(モードスケール)の“特徴音”さえ弾けばOK!という話
をしました。
あらためて理論的に整理して考えてみましょう。

例えば、

Dm7のコード上でDドリアンスケールの響きを得たいのであれば、 特徴音であるナチュラル6th(B)を弾く

ということになります。

逆に言えば、

特徴音を弾かなければ、コードスケールを弾いているかどうか判断できません。


つまり、特徴音がそのコードスケールのアイデンティティであると言えます。

コードスケール(モードスケール)と特徴音


下記の画像では、Cメジャースケールから派生する各コードスケール(モードスケール)と、その特徴音をまとめています。
コードスケールを使うためにはそれぞれの特徴音を覚えてください。


よくある疑問:「コードスケールで考える意味ってありますか?」

それではコード進行にコードスケールを当てはめて、アドリブをすることを考えてみましょう。

例:Dm7 → G7 → Cmaj7(Ⅱ–Ⅴ–Ⅰ進行)

ダイアトニックにスケールを当てはめると、

  • Dm7 → Dドリアン
  • G7 → Gミクソリディアン
  • Cmaj7 → Cアイオニアン

それぞれの構成音は以下の通りです:

  • Dドリアン:D E F G A B C
  • Gミクソリディアン:G A B C D E F
  • Cアイオニアン:C D E F G A B


「……結局、Cメジャースケールで捉えるのと変わらない?」

はい、その通りです。
構成音はすべてCメジャースケールと同じです。

コードスケールでコードごとにスケールを当てはめて考えても、
コード進行のkeyに合わせスケールを当てはめて考えても、
CDEFGABという使用する音自体には差がありません。

つまり、「ダイアトニックにただ当てはめただけ」では、コードスケールの特徴的な響きは感じとりづらいのです。


解決策:リディアンを使ってみる

どのように使えば、コードスケールの特徴的な響きが効果的に響くのか?
例えば、同じ進行のCmaj7に対して、

  • Cアイオニアンの代わりに、
  • Cリディアン(C D E F♯ G A B)を使ってみましょう。

このとき、

F → F♯ に変えるだけで、リディアンらしい浮遊感が加わります。

これは言い換えると、

CMaj7だけが、key=Gメジャーに転調している

とも言えます。

ですので、このF# を弾くことによって、一種の違う世界にいったような浮遊感が演出できるのです。


コードスケールの“実用的”な当てはめ方(ざっくり)

上記の例にあるように、
そのkeyのおけるスケールを使用した時に出てこない、特徴音が出てくるコードスケールを選びます。

  • ⅠMaj7(本来はアイオニアン)
     → リディアンが相性◎
  • Ⅵm7、Ⅲm7(本来はエオリアン、フリジアン)
     → ドリアンで代用すると◎

アヴェイラブル・ノート・スケール

このようなコードスケールの選択は、アヴェイラブル・ノート・スケールと呼ばれる考え方に基づきます。

簡単に言うと
コード進行や調性に基づいて、各コードに自然に調和する音階を選ぶ
ということです。

その中で、気に留めておきたいのはAvoid Note(アヴォイドノート)の存在です。

  • Avoid Note(アヴォイドノート):コードと不協和になる音(例:Cmaj7上のF)がある。
    →不協和になる音に関しては、自然に調和するとは言い難く、扱いに注意しなくてはいけない。
    ※不協和=使ってはいけない音ではありません。わざと不協和させることも音楽によっては適切な表現です。
    ドリアン・リディアンはアヴォイドノートを含まないので安定したスケールだと考えられる。

よく使うコードスケール/あまり使わないコードスケール

上記の理由などにより、コードスケールでも使いやすいものと、使える場面が少ないものに分かれます。
使用頻度が高いコードスケール:

  • ドリアン
  • リディアン
  • ミクソリディアン(ドミナント7thで使用)

逆に使用頻度が低め:

  • フリジアン
  • ロクリアン

※もちろん曲調やジャンルにより例外はあります。
フリジアン:フラメンコで重宝されるスケール
ロクリアン:映画音楽の不安を煽るシーン(ロクリアンは不安定な響きであるために利用される)


モードスケールとコードスケールの違い

コードスケールとモードスケールという言葉が2つありますが、

  • コードスケール:Dm7→G7→CMaj7とコード進行がある上で、Dm7にDドリアンを当てる(コードごとにスケールを選ぶ)
    →機能和声的なコード進行がある状態
  • モードスケール:Dドリアン一発で曲を構成する
    機能和声的なコード進行がない状態

モードジャズの例

マイルス・デイヴィスが行ったモード・ジャズでは、それまでの機能和声を追求したジャズから脱却して、ドリアンやフリジアンといったスケールを機能和声的なコード進行がない状態で使用しています。

具体的な楽曲例:So What
基本的にDドリアンスケールのみで作られている楽曲でDEFGABCのみ(ドレミファソラシ)で構成されている。(BセクションではE♭ドリアンに半音上転調している。)


これが発展したものとしてモード同士の組みあわせの楽曲など、より複雑なものがあります。

まとめ

コードスケール(モードスケール)は、
構成音そのものよりも、“どの音を特徴として押し出すか”が重要です。

  • 丸暗記よりも、「特徴音」を覚える
  • ダイアトニックから離れて、スケール選択に“意志”を持たせる
  • 難解な理論より、シンプルに「響き」で理解してみる

こうした使い方で、コードスケールはすぐにアドリブへ応用可能になります。
ぜひ、少しずつ取り入れて演奏の幅を広げてみてください。

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