コードスケールの丸暗記は必要?
いいえ、シンプルに考えれば、アドリブに簡単に取り入れることができます。
前半は「簡単にコードスケール(モードスケール)をまずは弾いてみる」ということで、
コードスケール(モードスケール)の“特徴音”さえ弾けばOK!という話をしました。
あらためて理論的に整理して考えてみましょう。
例えば、
Dm7のコード上でDドリアンスケールの響きを得たいのであれば、 特徴音であるナチュラル6th(B)を弾く
ということになります。
逆に言えば、
特徴音を弾かなければ、コードスケールを弾いているかどうか判断できません。
つまり、特徴音がそのコードスケールのアイデンティティであると言えます。
コードスケール(モードスケール)と特徴音
下記の画像では、Cメジャースケールから派生する各コードスケール(モードスケール)と、その特徴音をまとめています。
コードスケールを使うためにはそれぞれの特徴音を覚えてください。


よくある疑問:「コードスケールで考える意味ってありますか?」
それではコード進行にコードスケールを当てはめて、アドリブをすることを考えてみましょう。
例:Dm7 → G7 → Cmaj7(Ⅱ–Ⅴ–Ⅰ進行)
ダイアトニックにスケールを当てはめると、
- Dm7 → Dドリアン
- G7 → Gミクソリディアン
- Cmaj7 → Cアイオニアン
それぞれの構成音は以下の通りです:
- Dドリアン:D E F G A B C
- Gミクソリディアン:G A B C D E F
- Cアイオニアン:C D E F G A B

「……結局、Cメジャースケールで捉えるのと変わらない?」
はい、その通りです。
構成音はすべてCメジャースケールと同じです。
コードスケールでコードごとにスケールを当てはめて考えても、
コード進行のkeyに合わせスケールを当てはめて考えても、
CDEFGABという使用する音自体には差がありません。
つまり、「ダイアトニックにただ当てはめただけ」では、コードスケールの特徴的な響きは感じとりづらいのです。
解決策:リディアンを使ってみる
どのように使えば、コードスケールの特徴的な響きが効果的に響くのか?
例えば、同じ進行のCmaj7に対して、
- Cアイオニアンの代わりに、
- Cリディアン(C D E F♯ G A B)を使ってみましょう。

このとき、
F → F♯ に変えるだけで、リディアンらしい浮遊感が加わります。
これは言い換えると、
CMaj7だけが、key=Gメジャーに転調している
とも言えます。
ですので、このF# を弾くことによって、一種の違う世界にいったような浮遊感が演出できるのです。
コードスケールの“実用的”な当てはめ方(ざっくり)
上記の例にあるように、
そのkeyのおけるスケールを使用した時に出てこない、特徴音が出てくるコードスケールを選びます。
- ⅠMaj7(本来はアイオニアン)
→ リディアンが相性◎ - Ⅵm7、Ⅲm7(本来はエオリアン、フリジアン)
→ ドリアンで代用すると◎
アヴェイラブル・ノート・スケール
このようなコードスケールの選択は、アヴェイラブル・ノート・スケールと呼ばれる考え方に基づきます。
簡単に言うと
「コード進行や調性に基づいて、各コードに自然に調和する音階を選ぶ」
ということです。
その中で、気に留めておきたいのはAvoid Note(アヴォイドノート)の存在です。
- Avoid Note(アヴォイドノート):コードと不協和になる音(例:Cmaj7上のF)がある。
→不協和になる音に関しては、自然に調和するとは言い難く、扱いに注意しなくてはいけない。
※不協和=使ってはいけない音ではありません。わざと不協和させることも音楽によっては適切な表現です。
→ドリアン・リディアンはアヴォイドノートを含まないので安定したスケールだと考えられる。
よく使うコードスケール/あまり使わないコードスケール
上記の理由などにより、コードスケールでも使いやすいものと、使える場面が少ないものに分かれます。
使用頻度が高いコードスケール:
- ドリアン
- リディアン
- ミクソリディアン(ドミナント7thで使用)
逆に使用頻度が低め:
- フリジアン
- ロクリアン
※もちろん曲調やジャンルにより例外はあります。
フリジアン:フラメンコで重宝されるスケール
ロクリアン:映画音楽の不安を煽るシーン(ロクリアンは不安定な響きであるために利用される)
モードスケールとコードスケールの違い
コードスケールとモードスケールという言葉が2つありますが、
- コードスケール:Dm7→G7→CMaj7とコード進行がある上で、Dm7にDドリアンを当てる(コードごとにスケールを選ぶ)
→機能和声的なコード進行がある状態 - モードスケール:Dドリアン一発で曲を構成する
→機能和声的なコード進行がない状態
モードジャズの例
マイルス・デイヴィスが行ったモード・ジャズでは、それまでの機能和声を追求したジャズから脱却して、ドリアンやフリジアンといったスケールを機能和声的なコード進行がない状態で使用しています。
具体的な楽曲例:So What
基本的にDドリアンスケールのみで作られている楽曲でDEFGABCのみ(ドレミファソラシ)で構成されている。(BセクションではE♭ドリアンに半音上転調している。)
これが発展したものとしてモード同士の組みあわせの楽曲など、より複雑なものがあります。
まとめ
コードスケール(モードスケール)は、
構成音そのものよりも、“どの音を特徴として押し出すか”が重要です。
- 丸暗記よりも、「特徴音」を覚える
- ダイアトニックから離れて、スケール選択に“意志”を持たせる
- 難解な理論より、シンプルに「響き」で理解してみる
こうした使い方で、コードスケールはすぐにアドリブへ応用可能になります。
ぜひ、少しずつ取り入れて演奏の幅を広げてみてください。
※学習ガイドリンク



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