良いギターの条件とは?「鳴る」ギター?

ギターレッスン初心者向け

※私はギター製作の専門家ではありません。
ただ、ギター講師として生徒さんから質問を受けることも多いため、ここでは弾き手としての感覚と経験から改めて考えてみました。


ギターが「鳴る」とは?

「このギター、よく“鳴る”ねぇ!」
そんな表現を耳にしたことがある方も多いと思います。

私にとって「鳴る」とは、ギターを弾いたときに音が芯から出て、角がなく、自然に響く感覚です。
特に薄い塗装の古いギター(いわゆるビンテージ系)は、その深みを感じやすく、弾いていてとても気持ちが良いことが多いです。
エレキギターであれば、アンプにつながずに生音で鳴らしてみると、その違いがわかりやすいかもしれません。

ただし、生鳴りの音量が大きいからといって、必ずしも「鳴るギター」とは限りません
むしろ「鳴らない」と感じるギターとは、音に深みがなく、ペチペチとしたベニヤ板のような響きになってしまうものです。


レンジは必ずしも必要ではない

鳴るギターは、必ずしも高域から低域までレンジが広いわけではありません。
例えばPRSのギターは中域寄りでレンジは狭く感じることも多いですが、深みをしっかり感じる個体も存在します。


工作精度が高い=必ずしも音が良いわけではない

感覚的な話ですが、鳴りの良さは工作精度だけでは決まりません
木材や組み込み、そしてビルダーの経験的な調整によって大きく左右されることが多いのです。
実際、ギブソンやフェンダーのギターには、工作精度がそれほど高くなくても、とても良い音を奏でる個体が存在します。


仕事道具としての条件

演奏現場でギターを「道具」として考えると、まず チューニングの安定性は重要です。
どれだけ鳴るギターでも、チューニングが狂いやすいと扱いづらくなります。

さらに、デッドポイントなど鳴らない箇所が少なく、どのポジションでもバランスよく響くギターは、とても信頼性が高く、仕事道具として重宝されます。


現場での経験

以前のブログでも触れましたが、プロスタジオで録音する際、フェンダージャパンの5万円のギターが選ばれ、1972年製のGibsonは採用されなかったことがありました。

ここから学んだのは、いわゆる「良いギター」と言われるものの差は、現場では必ずしも決定的ではないということです。
むしろ、自分が演奏しているときのほうが、他人が聴くよりも音の差異を如実に感じやすいのかもしれません。

また現場では、「使いやすさ」や「典型的なサウンドの再現性」が求められることも多く、アレンジャーが名盤や名曲のギターをリファレンスに指示を出すこともあります。
アコギで言えばマーティンD-28やGibson J-50の音色をイメージするケースが多いです。
こうした音色を意識したギターを持っておくことで、現場でスムーズに対応できることも少なくありません。


弾き手としての感覚

しかし、弾いている本人にとって「良いギター」と感じるかどうかは、何より大きなポイントです。
鳴りの良い=深みのある響きを持つギターは、弾いていて気持ちが良く、演奏のテンションや表現力に直結します。

もちろん、5万円のギターでも現場で採用されることがあります。
しかし、200万円のガットギターや100万円のアコースティックギターなどと比べれば、10〜30万円台の楽器にはない深みや弾き心地の差を実感することもあります。
高価な楽器には、それなりの価値を感じることが多いのです。


まとめ

「良いギター」とは、一つの基準で決まるものではありません。
現場では「使いやすさ」や「典型的なサウンドの再現性」が重視されますが、弾き手にとっては「鳴りの深み」や「演奏して気持ちよいかどうか」がより重要になってくると思います。

高価な楽器には、そうした深みや弾き心地が備わっていることが多く、それがモチベーションや表現力を引き上げてくれることもあります。
結局のところ、良いギターとは「現場で役割を果たす道具」であり、同時に「自分が弾いて心から満足できる楽器」なのだと私は考えています。

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